いいいひととわるいひと創作物語

そのチームの名前はわからない

僕はたまたま通りがかっただけで

目の前には大きな岩がふたつ転がっていて

その隣にはボールを取り合う野球人たちが

難しいことばで議論していた

不思議なことに

そのユニフォームはたえず変化していて

書いてある文字さえ

一文字づつ変わったりしていた

もっと不思議なことは

議論している人はそれにまったく気づいてなくて

不思議にも思ってないらしいことで

取り合ってるボールが何となく野球っぽかったので

試合中のトラブルかと思ったぐらいだった

くるくる変わるユニフォームに気を取られ

つい足を止めてしまった僕は

しばらくなりゆきをながめようかと

岩に腰掛けようとした

すると

ちょっと

ちょっとちょっとちょっと

と、甲高いドスのきいた声がして

岩が起きあがった

岩と思いこんでいたのは女性らしくて

まったくどいつもこいつもなどと

ぶつくさいいながら服の埃をはらっていた

当時僕は30歳以下の女性にしか興味がなく

母親も姉も口うるさかったので

ある年代以外は岩だとマインドコントロールしていたので

ついつい

すいません。

謝ろうとすると

その女性は

眉をひそめて聞いてきた

あんた

いいひと?

わるいひと?

つづきます。